なぜJBSは「検定試験制度」にこだわり続けるのか?〜技術者の誇りとお客様の信頼を守るために〜

目次

はじめ

ジャパンブロウティストスクール(JBS)は、2025年に20周年を迎えました。

その歩みの中で、一貫して守り続けてきたものがあります。それが「検定試験制度」です。

一方で現実には、アイブロウの検定試験はまだ世間での認知度も低く、「そんな試験に興味はない」と考える人も少なくありません。実際、検定を取らなくてもお客様が来て利益を上げているサロンは存在します。しかし、その状態は果たして長く続くのでしょうか?ここにこそ、今後の美容業界における大きな課題が潜んでいるのです。

多くの方にとって検定は「合格するための試験」に見えるかもしれません。しかし、JBSにおける検定は、技術者の誇りを育み、お客様の信頼を守り、業界全体を底上げするための仕組みなのです。

検定制度を始めた背景

アイブロウ専門教育がなかった時代

2005年にJBSを立ち上げた当時、日本にはまだ「アイブロウ専門スクール」はほとんど存在していませんでした。全国から「アイブロウデザインが苦手」「新しい技術で独立したい」という方が集まりましたが、当時はワックスを使ったアイブロウ技術自体が日本にはなく、技術基準も安全基準も存在しない状況でした。

そのため、受講生が卒業後に直面する現実は厳しいものでした。

・メニュー化に至る前に、諦めて辞めてしまう

・メニュー化できても、技術に自信が持てない

・集客できずに継続できない

・基本が抜け落ち、自己流になっていく

スクールでは基礎をすべて教えますが、帰宅して練習するうちに「これで正しいのか」と自問自答し、次第に基本から離れてしまう人が多かったのです。

階段を上る仕組みの必要性

「いっぺんに教えても消化不良を起こし、自己流になり、技術に不安を抱えたままお客様に向き合う」──この状況を変えるため、私は義務教育のように一歩ずつ階段を上がる仕組みをつくる必要を感じました。

そこで13年前、日本初となる「ブロウティスト検定制度」を構築。段階的に技術を確認できるステップを設け、自然と理解が深まるシステムを導入しました。これが現在の「一般社団法人ジャパンアイブロウライセンス協会(JEBLA)」に受け継がれている検定制度の原点です。

技術者にとっての価値

自分の現在地がわかる

2012年にスタートした検定制度は、現場のニーズに即したものでした。どのレベルに到達すればお客様に安全にサービスを提供できるのか、どの基礎知識が不可欠なのか──。第三者が評価することで、技術者は「自分の現在地」を客観的に把握できるようになりました。

「今の自分には何が足りないのか」「次は何を学べばいいのか」が明確になることで、学びが迷子にならず、技術に自信を持ち、キャリア設計にもつながります。

合格までのプロセスが自信を育てる

試験には合格と不合格があります。しかし本当に大切なのは、そのプロセスです。
課題が明確に定められているため、練習を重ねる中で基礎の意味が理解でき、点と点が線につながる瞬間が訪れます。この積み重ねこそが「実力」となり、合格は努力の延長線上の結果として訪れるのです。

合格証以上に価値があるのは、「やり抜いた」という自信です。

スポーツでも基礎力を身につけて初めて応用が可能になります。アイブロウでも同じで、基礎を飛ばして応用やトレンドばかりを追うと、デザインがワンパターン化し、幅広いお客様に対応できなくなります。その結果、自ら客層を狭めてしまうのです。

検定制度によって「どのランクの技術を持っているか」が可視化されることで、技術者のキャリアにもなり、ブランド力の確立にもつながります。

お客様にとっての信頼の証

お客様にとって「誰に任せるか」は非常に重要です。

検定取得者は、技術基準・衛生基準・接客マナーをクリアしている証です。だからこそお客様は「検定取得者=安心して任せられる人」と認識し、安心感と信頼を寄せてくださいます。

今後、アイブロウ技術をメニュー化するサロンや技術者はますます増えていきます。その中で選ばれるためには、検定が確かな「差別化ポイント」となるのです。

学び続ける文化を育む

JBSでは「技術者は職人である」と考えています。職人に完成はなく、常に学び続ける姿勢が求められます。

検定試験は合格して終わりではありません。常に技術をブラッシュアップし、挑戦を続ける動機になります。そしてJBSのフォローアップ制度と連動することで、技術者全体の底上げが実現しています。

美容業界への貢献

近年、アイブロウメニューの拡大に伴い、トラブル件数も増えています。こうした状況を踏まえ、業界全体の水準を引き上げるために、JBSはJEBLAの検定制度と連携し、プロフェッショナルの育成に取り組んでいます。

無資格・無基準のサービスとの差別化を明確にし、安心・安全を守ること。それが業界リーダーとしてのJBSの使命であり、検定制度が果たす最大の役割です。

20年続けてきたから見えること

JBSでの「ブロウティスト3star」は、「アイブロウワキシング1級」と「アイブロウデザイナー1級」であり、上位資格取得者が数多く輩出されています。

彼女たちは全国のサロンで予約が取れないほどの人気を誇り、リピート率は90%を超えることも珍しくありません。中には「新規が入れず悩む」という贅沢な課題を抱える方もいます。

しかし、そうしたトップ技術者も最初から順風満帆だったわけではありません。試験に何度も落ち、悩み、挫折しかけた時期もある人もいました。それでも挑戦を続け、仲間と支え合いながら成長した結果、今では地域を代表する存在になっています。

まさに「継続は信頼を生む」という事実を体現しています。

未来への約束

JBSは今後も、基本に忠実に、プロフェッショナルを育成し続けます。教育の本質を守り、次世代の技術者にバトンを渡すこと。それこそが私たちの使命です。

そして「眉で人生を変える」という理念を胸に、検定制度を通じて未来のブロウティストを育成し、業界の健全な発展とお客様の信頼を守り続けます。

おわりに

検定はゴールではなくスタートライン。

それは技術者にとって努力と誇りの証であり、お客様にとって安心と信頼の証です。

だからこそ、JBSは20年にわたり検定試験制度にこだわり続けてきました。そしてこれからも変わらず、この制度を通じて「真のプロフェッショナル」を育て続けます。

目次