
はじめに
2021年5月、ジャパンブロウティストスクール(JBS)が長年研究・体系化してきた「眉デザイン理論」が、特許として正式に認められました。
美容技術が特許として認可されることは決して容易ではなく、アイブロウ分野においては日本初の快挙とも言える出来事です。
しかし、ここで一つ問いかけたいことがあります。
なぜJBSは、アイブロウデザイン理論を特許として取得する必要があったのか。
それは、単に技術を独占したり、デザインを守るためではありません。 20年以上にわたり眉の教育に向き合ってきた中で、JBSは業界全体に共通する構造的な課題と、未来を守るための責任を強く感じるようになったのです。
アイブロウ技術における「目的」と「手段」が混同されているという課題
現在のアイブロウ業界では、シェービング、ワックス、アートメイクなど、眉を整える手段となる技術が注目されがちです。
しかし、アイブロウ技術において最も重要なのは、どの方法で処理するかではなく、最終的にどのような眉を完成させるかという点にあります。
アイブロウデザインは、技術のゴールであり、目的そのものです。
ワックスやシェービングは、そのデザインを実現するための「手段」にすぎません。
ところが現場では、手段だけが技術として独立し、完成形を設計する力=デザイン力が十分に育成されていないケースが多く見受けられます。
JBSが特許として守ろうとしたのは、個別の技法ではなく、アイブロウ技術の本質である「目的としてのデザイン」を中心に据えた考え方そのものでした。
アイブロウデザインは「感性」だけでは教育できないという現実
もう一つの大きな課題は、アイブロウデザインが「感性の世界」「センスの良し悪し」で語られがちな点です。
多くの人が、黄金比率こそがアイブロウデザインの基本であり、それを守れば美しい眉がつくれると誤解しています。
また、「センスがある人が上手い」「感覚的にできる人だけが向いている」という認識も根強く残っています。
しかしJBSは、創業当初から一貫して、アイブロウデザインは感性だけに委ねるものではなく、誰もが再現できる理論として教育すべきものだと考えてきました。
感性だけに頼るデザインには、次のような問題が生じます。
・再現性がない
・技術者ごとに仕上がりが大きくブレる
・お客様の満足度が安定しない
・スタッフ間でデザインの共有ができない
・「正解」が分からず、判断基準が持てない
JBSが10年以上かけて体系化してきた J.BROW アイブロウデザイン理論 は、
筋肉・骨格・輪郭・表情の動き・黄金比・眉が与える心理的効果などをすべて言語化・構造化し、再現性を生み出すための理論です。
プロフェッショナルとは、
なぜそのデザインなのかを、根拠を持ってお客様に説明できる技術者のこと。
だからこそ、揺るぎないカウンセリングと深い信頼関係が生まれます。
「言語化できるアイブロウデザインこそ本物である」
この思想こそが、特許取得の根底にあります。
独学や模倣によって生まれる「誤ったアイブロウデザイン」の増加
アイブロウブームの広がりとともに、SNSや短期講座を参考にした「独学アイブロウ」が急増しました。
しかし、見よう見まねの技術には大きな危険が潜んでいます。
・顔立ちを無視したデザイン
・パーツに合わない長さ・角度・太さ
・技術者の好みに偏った眉
・お客様の心理に配慮しない提案
・なぜそのデザインが良いのか説明できない
JBSの卒業生サロンには、「他店で失敗された眉を直してほしい」という相談も数多く寄せられるようになりました。
そこで私たちは強く感じたのです。
眉を扱う技術は、本来もっと慎重であるべきだと。
このままでは、眉の価値そのものが損なわれ、「眉の文化」が崩れてしまう。
だからこそ、正しい理論と倫理に基づく技術を、知的財産として保護する必要がありました。
教育・検定・商標に続く、第四の柱「特許」
JBSは創立当初から、教育、検定、商標、という三本柱で、プロフェッショナルの基準を築いてきました。
しかし、模倣や独学の増加、技術のばらつき、無基準によるトラブルが深刻化する中で、理論そのものを守る仕組みが必要になりました。
特許は、「JBSの理論が科学的根拠に基づいた独自性のある技術である」ことを、国が認めた証です。
これによりJBSの基盤は、
教育・検定・商標・特許の四本柱へと進化し、プロとアマチュアの境界線が、より明確になりました。
特許は「技術を独占する」ためのものではない
誤解してほしくないのは、特許は技術を独占するためのものではないということです。
目的は、むしろその逆にあります。
目的①:技術者を守るため
誤った技術や情報が広まれば、トラブルを起こし、キャリアを失う技術者も生まれます。
正しい理論を明確にし、技術者を守る必要がありました。
目的②:お客様を守るため
「特許取得理論に基づく施術」という事実は、お客様にとって大きな安心材料になります。
目的③:眉の文化を未来へ残すため
アイブロウ技術を一過性のブームではなく、日本が世界に誇る美容文化として残すためです。
「プロフェッショナルの証」として、技術者の未来をひらく
特許理論を学ぶことは、技術者のキャリアにも大きな価値をもたらします。
・他店との差別化
・サロンブランドの向上
・お客様からの信頼獲得
・学び続けるモチベーション
・提案力・説得力の向上
JBSで学んだ技術者の多くは、地域で信頼され、予約の取れないサロンを築いています。
最初は検定に落ち、悩みながらも、基礎を積み重ね、理論を理解した先に、
「眉で人生を変える技術者」へと成長していくのです。
特許はJBSの理念そのもの

特許取得は、JBSが掲げてきた理念、「眉で人生を変える」を形にした歴史的な一歩でもあります。
眉は、外見を変えるだけでないのです。
「自信を生み」
「前向きな行動を促し」
「前向きな行動を促し」
「人生を動かす力」
を持っています。
だからこそ、眉を扱う技術は「誰でもできる仕事」ではなく、責任ある専門家が担うべき職業だとJBSは考えてきました。
おわりに
JBSが特許を取得した理由は、一つではありません。
技術者を守るため
お客様を守るため
未来を守るため
そのすべてが重なり、アイブロウ業界に必要な一歩として、特許取得へとつながりました。
これからもJBSは、教育・検定・商標・特許の四本柱で本物のプロフェッショナルを育て、
眉の文化を日本から世界へと広げていきます。
「眉で人生を変える」
この理念を胸に、次の20年へ進んでいきます。