「自分に似合う眉毛の形がわからない」 「流行っている平行眉にしてみたけど、なんだかしっくりこない…」 「サロンで『どうしますか?』と聞かれても、うまく説明できない」
眉は、顔の印象を決定づける「額縁」のようなもの。その形がわずか1ミリ変わるだけで、私たちは優しく見えたり、知的に見えたり、あるいは少し古臭く見えてしまったりします。私自身、美容やファッションのトレンドを追う中で、多くのモデルやインフルエンサーを見てきましたが、彼女たちが洗練されて見える理由は、例外なく「自分に似合う眉の形」を知り尽くしているからに他なりません。
しかし、多くの人が「自分に似合う形」が分からず、ただ何となく流行の形を真似してしまい、かえって自分の魅力を半減させているケースを(本当に多く!)見てきました。
眉デザインは、単なるトレンドの模倣ではありません。あなたの骨格、目の形、そして「なりたい自分」のイメージを掛け合わせて初めて完成する、オーダーメイドの芸術です。ここでは、定番とされる人気の眉デザインを徹底的に解剖し、それぞれの特徴や、どんな人に似合うのか、そしてあなたの魅力を最大限に引き出す選び方までを詳しく解説していきます。
1. 定番アイブロウデザインの種類と特徴
まずは、アイブロウデザインの世界における「定番」とされる形を知ることから始めましょう。ほとんどのトレンドデザインは、これらの基本形の応用や組み合わせで成り立っています。
大きく分けると、眉デザインは主に以下の5つのタイプに分類されます。
- 平行眉(へいこうまゆ)
- 特徴: 眉頭から眉山までの角度がほとんどなく、床と平行に近い直線的なラインが特徴。眉山が目立たず、全体的に太さが均一。
- 印象: 若々しい、優しい、ピュア、ナチュラル。韓国のアイドルや女優から火がついた、トレンド感の強いデザイン。
- アーチ眉(アーチまゆ)
- 特徴: 眉山が丸みのある「アーチ(弓形)」を描いている、最もクラシックで女性らしいデザイン。
- 印象: エレガント、女性らしい、柔らかい、上品。顔の骨格に自然に沿うため、多くの人に似合いやすい王道の形です。
- 自然眉(しぜんまゆ)
- 特徴: 自分の生まれ持った眉毛の生え方や骨格を最大限に活かし、余分な産毛を整えただけのデザイン。作り込みすぎないのがポイント。
- 印象: ナチュラル、好感度が高い、ピュア、健康的。TPOを選ばない万能型。
- ストレート眉(ストレートまゆ)
- 特徴: 眉頭から眉尻までが、比較的まっすぐなラインで構成されるデザイン。平行眉と似ていますが、眉尻に向かって少し角度がつく(下がるor上がる)ことが多い。
- 印象: クール、知的、ハンサム、凛々しい。ビジネスシーンにも向く、意思の強さを感じさせる形。
- ハンサム眉(ふと眉・外国人風眉)
- 特徴: 全体的に太さがあり、毛流れがしっかりと主張されている立体的なデザイン。眉山をあえてカクッとさせることも。
- 印象: 立体的、外国人風、意志が強い、モード、スタイリッシュ。
これらのデザインに「正解」はありません。例えば、私が以前担当したあるクライアント(柔和な印象の営業職の女性)は、ずっと優しいアーチ眉にしていましたが、「もっとキャリアアップして、信頼感を勝ち取りたい」というご相談を受けました。そこで、眉尻を少しシャープにした「ストレート眉」寄りのデザインを提案したところ、「会議での発言に自信が持てるようになった」と、内面まで変わるきっかけになったのです。
このように、眉デザインはあなたの「なりたい未来」を叶えるためのツールでもあります。
関連記事:自分に似合う眉毛がわかる!アイブロウの黄金比とデザインの見つけ方
2. 韓国風で優しい印象の「平行眉」
ここ数年、トレンドの中心にあり続け、今や定番デザインの一つとなったのが「平行眉」です。オルチャンメイク(韓国の美少女風メイク)の象徴とも言えますね。
平行眉とは?
その名の通り、眉頭の上と眉山の下のラインが床と「平行」になるようにデザインされた眉です。特徴的なのは以下の3点です。
- 角度がない: 眉山がカクッとせず、眉頭から眉尻の手前までがほぼ一直線。
- 太さが均一: 眉頭から眉尻まで、あまり細くならない、均一な太さを保ちます。
- 短め: 眉尻を黄金比(小鼻と目尻を結んだ延長線)よりも、やや短めに仕上げることが多いです。
なぜ人気なのか? その効果は?
平行眉がこれほどまでに支持される理由は、その圧倒的な「若見え効果」と「優しげな印象」にあります。
人間の眉は、年齢と共に筋肉が下がり、眉尻が下がって見えがちです。また、角度のついた眉は、時に「怒っている」「キツそう」という印象を与えます。 平行眉は、その角度をなくし、直線を意識することで、以下のような視覚効果をもたらします。
- ピュアで優しい印象:
角度がないため、表情が常に穏やかに見えます。赤ちゃんや子供の眉が、角度のない柔らかな形をしているのを思い浮かべると分かりやすいでしょう。 - 若々しい印象:
直線的なラインが、顔のたるみや加齢による線の多さをカモフラージュし、スッキリと若々しいイメージを与えます。 - 目を大きく見せる効果:
眉と目の間の距離が近くなる(特に眉の下ラインを直線にすることで)ため、目元の印象が強まり、目がパッチリと大きく見える効果も期待できます。
どんな人に似合う?
平行眉は、特に「面長(おもなが)」の顔立ちの人と相性抜群です。 面長の人は、顔の縦の長さが気になることが多いですが、平行眉は顔の横のラインを強調してくれるため、顔の縦幅を視覚的に短く見せ、全体のバランスを整えてくれます。
逆に、「丸顔」の人が太すぎる平行眉にすると、顔の丸さや横幅をさらに強調してしまい、のっぺりとした印象になる可能性があるため、少し細めに調整するなどの工夫が必要です。
平行眉の作り方と注意点
平行眉は、ただまっすぐにすれば良いというわけではありません。私がよく見かける失敗例は、自分の骨格(特に眉丘筋という眉上の筋肉)を無視して、無理やりまっすぐにしようとすることです。
- ポイント1: 眉山の上は剃らない
平行にするために、眉山の一番高い部分を剃り落としてしまう人がいますが、これはNGです。筋肉の動きと毛流れが不自然になり、表情が動いた時に「剃った部分」だけが青く目立ってしまいます。 - ポイント2: 埋めるべきは「眉頭の上」と「眉山の下」
平行ラインを作るには、「削る」のではなく「足す」意識が重要です。- 眉頭のすぐ上(A)
- 眉山の下(B)
このAとBの「くぼんでいる部分」を、ペンシルやパウダーで埋めてあげるだけで、眉は驚くほどまっすぐに見えます。
- ポイント3: 太さを出す
ある程度の「太さ」がないと、平行眉の持つ優しい印象は出ません。元の眉が細い人は、眉の下ラインを少し描き足して、太さを出すことを意識しましょう。

3. 女性らしくエレガントな「アーチ眉」
流行がどれだけ変わろうとも、常に愛され続ける王道中の王道、それが「アーチ眉」です。
アーチ眉とは?
眉頭から眉山にかけて、なだらかな「アーチ(弓形)」を描き、眉山から眉尻に向かって緩やかに下降していくデザインです。平行眉とは対照的に、「曲線」で構成されているのが最大の特徴です。
- 自然なカーブ: 骨格や筋肉の丸みに自然に沿った、緩やかな曲線。
- 明確な眉山: 眉山が頂点として存在しますが、平行眉やストレート眉のように「点」ではなく、なだらかな「丸み」を帯びています。
- 細めの眉尻: 眉中央から眉尻にかけて、自然に細くなっていくのが美しいとされます。
アーチ眉が与える印象
アーチ眉の魅力は、その「上品さ」と「女性らしさ」にあります。 曲線は、見る人に柔らかく、優雅で、エレガントな印象を与えます。
- 女性らしさと品格:
クラシックな女優やモデルが、こぞってこの眉をしていることからも分かるように、最も女性の骨格美を引き立てる形とされています。 - 優しい表情:
角度がキツくないため、表情が柔らかく見え、人に安心感を与えます。 - 小顔効果(特に丸顔・ベース顔):
これが非常に重要なポイントです。アーチ眉は、顔に「縦の高さ」を生み出します。- 丸顔の人:
顔の横幅が気になる丸顔の人がアーチ眉にすると、縦のラインが強調され、顔全体がスッキリとシャープに見えます。 - ベース顔(エラが張っている)の人:
エラの角張った印象を、眉の柔らかな曲線が中和してくれ、全体のバランスが非常に良くなります。
- 丸顔の人:
アーチ眉の作り方と注意点
アーチ眉は、多くの日本人の骨格にフィットしやすい形ですが、一歩間違えると「バブル時代」のような古臭い印象になってしまう危険性も秘めています。
- ポイント1: 角度をつけすぎない
90年代に流行ったような、カモメが飛んでいるかのような「急角度の細眉」はNGです。 眉山は、あくまで自分の骨格(眉丘筋)が一番高くなるところに、なだらかに設定します。 - ポイント2: 細くしすぎない
昔のアーチ眉は非常に細かったですが、現代のアーチ眉は「自然な太さ」がベースにあります。元の眉毛の太さを活かし、眉の下のラインを滑らかな曲線で整える意識が重要です。 - ポイント3: 眉頭をぼかす
眉頭の始点までくっきりと曲線で描いてしまうと、途端に不自然になります。眉頭はパウダーでふんわりとぼかし、眉の中央から眉尻にかけてのアーチを際立たせるのが、現代風に仕上げるコツです。
私自身、トレンドの平行眉がどうしてもしっくりこなかった時期に、原点回帰してこのアーチ眉に戻したことがあります。その瞬間、鏡に映った自分の顔が、すっと品良くなったのを感じました。流行に流されず、自分の骨格に合う形を選ぶことの大切さを痛感した経験です。
4. ナチュラルで好感度の高い「自然眉」
「流行はよく分からないけど、とにかく清潔感が欲しい」 「メイクしてます感を出したくない」 そんな方に最適なのが、究極の「引き算」デザインである「自然眉」です。
自然眉とは?
その名の通り、自分の生まれ持った眉毛の生え方や骨格を最大限に活かすデザインです。 何かを劇的に「変える」のではなく、あくまで「整える」ことに主眼を置きます。
- 自眉ベース: 自分の眉の形が、そのままデザインの土台となります。
- 余分な毛の処理: 眉の輪郭からはみ出した産毛や、眉間の毛など、「明らかに不要な毛」だけを処理します。
- 足りない部分の補完: 毛が極端に薄い部分や、左右差がある部分だけを、ペンシルやパウダーで最小限に補います。
自然眉が与える印象
このデザインの最大の武器は、その「圧倒的な好感度」と「清潔感」です。
- ナチュラルな美しさ: 作り込みすぎないため、その人本来の魅力を引き出します。
- 清潔感と信頼感: きちんと手入れされていることが伝わるため、TPOを選ばず、ビジネスシーンからフォーマルな場、就職活動まで、あらゆる場面で好印象を与えます。
- 流行に左右されない: 自分の骨格がベースなので、トレンドが変わっても古臭くなることがありません。
どんな人に似合う?
自然眉は、すべての人に似合う万能なデザインです。 特に、「もともとの眉毛がしっかり生えている人」や、「メイクに時間をかけられない人」には最適です。
自然眉の作り方と注意点
「整えるだけ」と聞くと簡単そうですが、実はこの「自然眉」が最もセンスを問われると、プロの世界では言われています。なぜなら、「どこまで手を加えて、どこから手を加えないか」の見極めが難しいからです。
- ポイント1: 「不要な毛」だけを見極める
- 眉をスクリューブラシでとかした時、眉の密集した部分(=眉本体)から、明らかに離れてポツンと生えている毛。
- 眉間や、まぶたの上に生えている産毛。
- これらだけをシェーバーや毛抜きで処理します。眉本体の輪郭の毛は、なるべく抜いたり剃ったりしないことが、自然さを保つコツです。
- ポイント2: 「描く」のではなく「埋める」
- 輪郭を描こうとせず、毛と毛の「隙間」や、地肌が透けて見える部分だけをパウダーで優しく埋めます。
- ポイント3: 毛流れを整える
- 自然眉の命は「毛流れ」です。
- 仕上げにクリアタイプの眉マスカラや、スクリューブラシにヘアスプレーを軽く吹きかけたもので、毛流れを整え、ツヤを出すだけで、一気に洗練された「手入れの行き届いた自然眉」が完成します。
関連記事はこちら:【顔型診断】あなたに似合うアイブロウデザインの見つけ方|黄金比で美人度アップ
5. クールで知的な「ストレート眉」
「平行眉は優しすぎるけど、アーチ眉は女性的すぎる」 「もっとシャープで、知的な印象が欲しい」 そんなニーズに応えるのが「ストレート眉」です。
ストレート眉とは?
眉頭から眉山、あるいは眉尻までが、比較的「まっすぐなライン」で構成されるデザインです。
- 平行眉との違い:
- 平行眉は「眉山がなく、床と平行」なのが特徴です。
- ストレート眉は、眉山が(緩やかに、あるいはカクッと)存在し、眉頭から眉山にかけてが直線的に上昇し、眉尻に向かってシャープに下降する形が一般的です。
- 全体として「凛々しい直線」で構成されます。
ストレート眉が与える印象
その直線的なラインが、見る人に「強さ」や「理性」を感じさせます。
- クールで知的: まっすぐなラインは、迷いがなく、論理的な印象を与えます。ビジネスシーンや、人前で話す仕事の人に最適です。
- ハンサム・凛々しい: 女性らしさよりも、中性的な「かっこよさ」が際立ちます。パンツスーツやシンプルなファッションが好きな方にマッチします。
- 顔を引き締める効果: アーチ眉とは逆に、直線的なラインが顔全体をシャープに見せ、特に「丸顔」の人が取り入れると、甘さが抑えられ、キリッとした大人っぽい印象に変えることができます。
ストレート眉の作り方と注意点
ストレート眉は、平行眉と同様に「足す」メイクが基本ですが、より「シャープさ」を意識する必要があります。
- ポイント1: 眉山を「角」にする
- アーチ眉が眉山を「丸く」描くのに対し、ストレート眉は眉山を「点で捉え、少し角を持たせる」と、よりクールな印象になります。
- ただし、角度をつけすぎると「怒り眉」になるので注意が必要です。
- ポイント2: 眉尻はシャープに
- 眉尻はパウダーでぼんやり終わらせず、ペンシルやリキッドを使って、スッと消えるようなシャープなラインを描きます。
- ポイント3: 眉下のラインをまっすぐにする
- 眉頭の下から、眉山の手前にかけてのラインがガタついていると、直線的な印象が出ません。この部分をペンシルでまっすぐに描き足し、コンシーラーでラインの外側を整えると、完璧なストレートラインが生まれます。

6. 外国人風の立体的な「ハンサム眉」
「もっとメリハリのある顔になりたい」 「モード系のファッションが好き」 そんな方には、現在の欧米トレンドの中心である「ハンサム眉」がおすすめです。
ハンサム眉とは?
「ストレート眉」の進化系とも言え、以下の要素が加わったデザインです。
- 太さ: 全体的にしっかりと太さがあります。
- 毛流れ(テクスチャ): 最大の特徴です。毛一本一本が立ち上がり、生き生きとした毛流れが強調されています。
- 立体感: 眉頭から眉山にかけてグッと上昇し、眉山で角度をつけて下降する、メリハリの効いた形。
ハンサム眉が与える印象
その名の通り、「ハンサム」で「意志が強く」、そして「圧倒的な立体感」を与えます。
- 外国人風の彫りの深さ:
毛流れを立ち上げることで、眉周りに陰影が生まれ、目元がくぼんで見える(彫りが深く見える)効果があります。 - 意志の強さと自信:
太く、くっきりとした眉は、自信に満ち溢れたモードな印象を与えます。 - リフトアップ効果:
眉頭から眉山にかけての上昇ラインが、顔全体を引き上げて見せる効果も期待できます。
ハンサム眉の作り方と注意点
この眉は、パウダーでふんわり描くだけでは作れません。「毛」そのものをデザインする意識が必要です。
- ポイント1: 眉マスカラと毛の立ち上げ
- アイブロウペンシルやパウダーで隙間を埋めた後、クリアタイプの眉マスカラや、専用のアイブロウソープ(ワックス)を使います。
- スクリューブラシで、眉頭は真上に、眉中央は斜め上に、毛を逆立てるようにして「貼り付ける」ようにセットします。
- この「毛を立ち上げる」工程こそが、ハンサム眉の命です。
- ポイント2: 眉頭はあえて描かない
- 眉頭はパウダーで埋めず、あえて「毛」だけがフサフサと立っている状態にすると、抜け感が出てリアルな外国人風の仕上がりになります。
- ポイント3: 眉下のラインをコンシーラーで整える
- 立ち上げた毛流れと、シャープな眉下のラインのコントラストが美しさの秘訣です。
- 眉を描き終えた後、眉のすぐ下(輪郭の外側)を、明るめのコンシーラーでなぞると、眉の形がくっきりと際立ち、立体感が倍増します。
参考ページ:初心者でも簡単!セルフでできる垢抜けアイブロウデザインの作り方
7. トレンドの毛流れを活かした眉デザイン
ここ数年のアイブロウメイクのトレンドは、「形(デザイン)」から「質感(テクスチャ)」へと大きくシフトしています。 その中心にあるのが、先ほどのハンサム眉でも触れた「毛流れ」です。
毛流れを活かすデザインとは?
形はアーチ眉やストレート眉をベースにしつつも、パウダーで塗りつぶすのではなく、眉毛一本一本の存在感を際立たせることに重点を置いたデザインです。
- ブロウラミネーション(ハリウッドブロウリフト)
- サロン施術で人気が爆発した、眉毛専用のパーマ技術です。
- 薬剤を使って、眉毛の毛流れを自由自在に動かせるようにし、フサフサと立ち上がった状態をキープさせます。
- ソープブロウ
- メイクアップで上記を再現する技術で、水で濡らしたスクリューブラシで固形の石鹸(ソープ)を削り取り、その粘着力で眉毛を肌に貼り付けるように立ち上げます。
- クリアマスカラ仕上げ
- 最も手軽な方法。仕上げにクリアタイプの眉マスカラで、毛流れをグッと上向きにコーミングします。
なぜ毛流れがトレンドなのか?
- 自然で立体的: 塗りつぶした眉と違い、「自眉が元から美しい人」のように見えます。
- 若々しさ: 毛が上向きに立ち上がっていると、それだけで肌がリフトアップして見え、生き生きとした印象になります。
- 清潔感: 毛流れが整っているだけで、だらしない印象が一掃されます。
私が最近のメイクで最も重要視しているのも、この毛流れです。 たとえ形が多少アンバランスでも、眉頭の毛がしっかりと上を向いているだけで、一気に「今っぽい顔」になります。ペンシルで描き込むよりも、クリアマスカラで毛流れを整える時間を優先するほうが、結果的に垢抜ける近道だったりします。
関連記事:自分に似合う眉毛がわかる!アイブロウの黄金比とデザインの見つけ方
8. 自分の目に合う眉の形の選び方
デザインカタログを見て「この形にしたい!」と思っても、それがあなたの顔、特に「目」の形に合っていなければ、魅力は半減してしまいます。 眉と目は、切っても切れない「セット」です。
目の形別・おすすめ眉デザイン
- パッチリとした丸い目(アーモンドアイ)の人
- 相性が良い: アーチ眉
- 理由: 目の丸みと、眉のアーチがリンクし、顔全体の調和が取れ、非常にエレガントで華やかな印象になります。
- 避けたほうが良いかも: 極端なストレート眉は、目の丸さと喧嘩してしまい、チグハグに見えることがあります。
- 切れ長でシャープな目(一重・奥二重)の人
- 相性が良い: ストレート眉 または 平行眉
- 理由: 目の直線的なラインと、眉の直線的なラインが呼応し、クールで知的な魅力を最大限に引き出します。
- 避けたほうが良いかも: 角度のつきすぎたアーチ眉は、キツイ印象をさらに強めてしまう可能性があります。
- 目が離れている人
- ポイント: 黄金比よりも「眉頭」を少しだけ内側(鼻筋側)に寄せて描きます。
- 理由: 眉頭同士の距離が縮まることで、目と目の距離も近く見え、求心的な(中心に寄った)顔立ちに見せる効果があります。
- 目が近い人
- ポイント: 黄金比よりも「眉頭」を少しだけ外側から描き始めます。
- 理由: 眉頭同士の距離を離すことで、目元の窮屈な印象が和らぎ、ゆとりのある表情に見せることができます。
これはあくまで基本的なセオリーです。最終的には、あなたの「なりたい印象」が最も優先されます。「クールな印象になりたい丸い目の人」が、あえてストレート眉を選ぶ、というのも「ギャップ」を生む高等テクニックとして有効です。

9. TPOに合わせたアイブロウデザインの使い分け
眉デザインは、一度決めたら変えてはいけないものではありません。 ファッションやヘアスタイルを着替えるように、眉もTPOに合わせて「着替える」ことで、あなたの印象は自由自在に操れます。
シーン別・おすすめデザイン
- ビジネスシーン(商談・プレゼン・会議)
- おすすめ: ストレート眉 または 角度を抑えたアーチ眉
- キーワード: 信頼感、知性、清潔感
- 理由: 直線的なストレート眉は、論理的で意志の強さを感じさせます。アーチ眉は、上品で誠実な印象を与えます。どちらも「きちんと手入れされている」ことが伝わる自然な太さと、シャープな眉尻が必須です。
- プライベート(友人との食事・デート)
- おすすめ: 平行眉 または ナチュラルなアーチ眉
- キーワード: 優しさ、親しみやすさ、柔らかさ
- 理由: 角度のない平行眉や、丸みのあるアーチ眉は、表情を柔らかく見せ、リラックスした雰囲気や女性らしさを演出するのに最適です。
- トレンドを意識した場所(ファッションイベント・女子会)
- おすすめ: ハンサム眉 または 毛流れを強調した平行眉
- キーワード: おしゃれ、モード、立体感
- 理由: しっかりと毛流れを立ち上げ、立体感を強調した眉は、それだけで「トレンドを分かっている人」という印象を与え、シンプルな服装でも一気に垢抜けます。
このように、基本の形は変えなくても、「今日は眉山を少しカクッとさせてみよう」「今日は眉マスカラで毛を立ち上げてみよう」と、描き方や質感を変えるだけで、簡単に印象チェンジは可能です。
10. サロンでオーダーする時の伝え方
セルフメイクに限界を感じたり、一度プロに「正解」を教えてほしかったりする場合、アイブロウサロンは非常に有効な選択肢です。 しかし、ここで最大の壁が「どうやってオーダーすればいいか分からない」問題です。
私がクライアントにサロンを勧める際、必ずアドバイスしている「失敗しないオーダーのコツ」があります。
NGなオーダー例
- 「似合う感じでお願いします」(→一番困るオーダー。人によって「似合う」の定義が違います)
- 「流行りの平行眉にしてください」(→あなたの骨格に合うか、プロは疑問に思います)
- 「整えるだけでいいです」(→どの程度整えるのか、太さや形は?が不明確)
OKなオーダー例(3ステップ)
- 「なりたいイメージ」を伝える
- 最も重要なのがこれです。形ではなく、「印象」を言葉で伝えます。
- 「優しく見られたい」「仕事ができるように、キリッと見せたい」「垢抜けてオシャレな感じにしたい」
- この一言で、プロは「それならアーチ眉ベースですね」「ストレート眉で毛流れを活かしましょう」と、デザインを提案しやすくなります。
- 「理想の写真」を(最低3枚)見せる
- 言葉のイメージを補完するために、スマホで理想の眉の写真を保存して持っていきましょう。
- なぜ3枚かというと、1枚だけだと「そのモデルさんの顔が好き」なだけかもしれませんが、3枚見せることで「この3枚に共通する“太さ”が好きなんだな」「“眉山の角度”が好みなんだな」と、プロがあなたの好みの「共通項」を見つけやすくなるからです。
- 「現在の悩み」と「NG」を伝える
- 「左右の高さが違うのが悩み」
- 「自分で手入れしすぎて、ここだけ生えてこない」
- 「仕事柄、あまり細く(太く)はしたくない」
- 「過去に細眉にして失敗したから、太さは残したい」
こうした「悩み」と「NG」を伝えることで、大きな失敗を確実に避けることができます。
プロはあなたの骨格を見るプロですが、あなたの心の中(なりたいイメージ)までは読めません。この3点をしっかり伝えることで、初めてプロの技術とあなたの理想が噛み合い、最高の仕上がりになるのです。
関連記事:【眉の整え方】初心者でも失敗しない!黄金比率で美眉を手に入れる方法
あなただけの「眉」を見つける旅
人気の眉デザインをカタログ形式で見てきましたが、大切なのは「どの形が一番優れているか」ではありません。 どの形も、あなたの魅力を引き出す「可能性」の一つに過ぎないのです。
平行眉の優しさも、アーチ眉のエレガントさも、ストレート眉の知性も、すべてはあなたのものです。 自分の骨格と目を理解し、「今日はどんな自分になりたいか?」と問いかけながら、眉メイクという名の「自己表現」を楽しんでみてください。
「なんとなく」で描いていた眉が、「意図」を持ったデザインに変わる時、あなたの表情は、今よりもっと自信に満ちたものになるはずです。
